車山気象レーダーの誕生
平成11年11月、気象庁のレーダー観測網をより充実させるため、富士山レーダーに替わり、車山山頂に新たな観測所が登場しました。車山は八ヶ岳中信高原国定公園内であることから、観測所は自然環境保護に十分配慮された規模・構造となります。このレーダーは、長野県を中心とする広い範囲の気象が観測でき、毎日の天気予報や防災(気象注意報や気象警報の発表)に、たいへん大きな役割を果たします。
気象レーダーのしくみ
気象レーダーはアンテナから発射した電波(レーダービーム)のうち、雨粒や雪片に当たって反射してくる電波(エコー)を受信することにより、雨の強さや雨域の広がりなどをリアルタイムで知ることが出来る装置です。
通常の気象レーダーで使用する電波は空間を高速でほぼ直線的に伝わります。そのため電波の通路に高い山や建物などの障害物があるとその裏側には電波が届かず、レーダーの目標物である雨や雪を探知することが不可能となってしまいます。特に高い山脈の入り組んだ複雑な地形の長野県は、気象レーダーの設置条件が厳しい地域です。この点で多方向の見通しに優れた車山は、広い範囲の雨の監視に適していると言えます。車山に設置された気象レーダーは、時々刻々と変化する山の気象を監視し、大雨などの災害を未然に防ぐ重要なレーダーとして、今後の活躍が期待されています。
気象レーダーへお越しになる場合
車山山頂にそびえ立つ車山気象レーダー観測所。(残念ながら、内部はご覧頂けません。)山頂まではリフトでお越しになれますので、ぜひ一度ご覧下さい。また、山頂からの360度大パノラマもお楽しみ下さ